その後数日の間言われるがままに売買を続け(常に何かしらの建玉があり、その損失をヘッジするのに新規に玉を建てるか損切りするかを迫られる)、数日のうちに損失は総投資額140万に対して50万に上っていました。
その折、契約開始後からアポイントを申し込まれていた顧客サービス部の人間が会社を訪れました。彼の主な目的は、外務員が違法な手段で勧誘をしていないか顧客を訪問して確認することです。彼は50歳くらいで元外務員をしていたが定年前にこの部署に来た、といった雰囲気でした。彼は手際よく自分の役割と勧誘時に故意に説明を省いた点がないか確認していきました。今となっては、外務員が何を言って何を言わなかったのかすっかり忘れていたのですが、客に確認しなければならない項目には、ガイドに漏れなく説明時に外務員が付けたアンダーラインが引かれていました。全く手際のいいことです。
何か困った事はないか聞かれたので、追い証拠金の仕組みについて説明を求めました。彼は電話口で自社社員がなんと言ったか聞いてきたので、理解しないまま書き取ったメモを読んで教えました。彼はにっこり微笑みました。そうここでも不正は全くなかったのでした。
気持ちの治まらない私は商品取引会社の情報不足に苦情を言いました。本屋に行っても株の本は山ほどあるのに商品取引の本はほとんどない。せめて推薦する本か何か教えて欲しい、と訴えたのですが、彼はまたもやにっこり微笑んで
「取引のやり方は千差万別でこれをやったら絶対利益が出るという方法はありません。こればかりは慣れて貰うしか御座いません」
目的を果たした顧客サービス部員は頭を下げたあと悠然と帰っていきました。
保証金という人質をとられた私は彼らに手の上で踊らされている事を強く感じました。
しかし建玉のポジションは今仕切れば確実に大きな損害になるので、撤退する事もできません。
今諦めるのは敗北以外何ものでもありません。このままでは騙されることもなくただ損をしたということになってしまいます。もう損は十分しているのだからなにか掴まなければやめるにやめられません。
たとえ失敗しても何かを得た実感がなければ撤退するわけにはいきません。
この気性が今まで私の人生で吉と出ていました。しかしこと相場に関してはどうなんでしょうか?
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